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「 ちょっと
長くなるけど,聞く? 」
その陽太の言葉に
私は深く頷くと,
彼は廊下の隅の少しの
段差に座った。
それにあわせて私も
陽太の隣に座った。
「 間中とは中学ん時
結構マジで
付き合ってたんだ 」
「 うん 」
陽太にさっきの意地悪な
笑みは全くなくて,
ただ真剣な顔をしていた。
「 まだ中2だったけど
結構オープンに
付き合ってて
なんか中学生ぽく
ないけど,
ペアリングなんかも
つけちゃってさ 」
呆れたように笑う陽太。
あの手紙に嘘はなかった
という事実を知って
少し胸が痛くなる。
「 デートしたりさ
すげえ楽しくて
俺こいつと将来
結婚すんのかなあって
馬鹿な事まで
考えててさ 」
〝結婚〟
そんな言葉が出てくるなんて
思わなかった。
例え中学生でも
そんなに真剣に
間中さんの事を愛してた。