邪魔してあげる
なのに!なのになのに!!!!

わたしが中学に入学したときにママとパパは離婚した。
パパの会社が忙しくなって家庭を省みることが少なくなったからだ。あんなにマイホームパパだったのに。ママはそれが嫌になったという。家のためなんだし耐えるべきだとも思うが、ママは子供っぽくて寂しがり屋だし…もしかしたらわたしの知らない昔に、トラウマ的な何かがあったのかもしれない…。

そう思うとママを責められなくなったが、渡と離ればなれになるのは凄く辛かった。

わたしは引越し準備をする渡にワンワンと泣きついた。 渡も泣いてくれた。
渡はそのとき高校生で、自分の携帯をもっていたからアドレスと電話番号をメモに書き残してくれて、最後のプレゼントにとお揃いのストラップをくれた。ハートのやつだった。半分半分で、二個をくっつけるとひとつのハートになるもの。

そうしてわたしは渡に沸き上がる想いを最後まで伝えられなかった。
こんなにも妹を大事にしようとしている渡を裏切るようで言えなかった。
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