幸せなわたし
あの頃
幼いころ、私達は皆平等だった。
金持ちとか貧乏とか、
美人とかブスとか、
頭がいいとか悪いとか、
派手とか地味とか、
そういうの、全然関係なく一緒に学び遊んでいた。

雑草のサラダをおかずに砂のご飯をプラスチックの器で食べていた。
(いや、フリだったんだけど)

いつからだろう?
平等じゃないって感じ始めたのは。

世の中には、
金持と貧乏人がいて、
美人とブスがいて、
頭がいいエリートとバカな低所得者がいて、
お洒落でブランドをいっぱい持ってる女もいれば、ダサくてブランド品など到底買うことのできない女もいて、
そういう風にカテゴライズされて、その箱の中で生きている。

箱の外の人間は、別世界の人間だって認識している。

だって、箱の中にいれば安心だから。
同じような環境。同じような生活。同じような・・・・。
同じって心地いい。

それでもたまに、
ふと思う。

もっとお金があれば。
もっと美人だったら。
もっと頭が良ければ。
もっとスタイルが良ければ。
もっとお洒落だったら。
もっと、もっと、もっと・・・。

ないものねだりなのはわかってはいるけれど、そのないものがたまらなく欲しい。
ないものは、
ブランドのバッグだったり、好きなアーティストのライブチケットだったり、
彼氏だったり、金持ちの夫だったり、地位だったり、名声だったり。
その時その時によってそれは異なるんだけど、突き詰めていくとたどり着く先には、

「お金」

があるように思える。

お金があれば、欲しいものが買える。
かっこいいお金持ちの夫だって、お金をかけて綺麗になれば、手に入れることができるだろう。
そうすれば死ぬまで、ぬくぬくと、習い事に勤しみ、気飾り、可愛いことどもと優しい夫と幸せな毎日を送ることができるのだ。
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