Girls Kiss・『甘いキス』
二人で黙々と食べる。

桃のすりおろしゼリーは甘過ぎず、さっぱりしていた。

「美味しい?」

「うん、美味しいよ」

けれど彼女は俯いて、あまり美味しそうには食べていない。

…こんな顔するぐらいなら、教室でみんなと食べればいいのに。

ああ、でもある意味、手切れ金みたいなもんか。

「…ご馳走様」

いつもなら心が満たされるはずの彼女の手作りのお菓子。

今日は何だか逆に虚しくなる。

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