【短】リミットLove
うめき声、泣き叫ぶ声、ヒステリックな絶叫…。
まさに、地獄絵図のようだった。
火傷により傷付いた患者。
それを心配し、また不安に感じ、泣き叫ぶ付き添い人。
俺は、重症である患者から手術を始めようとしていた。
その時だった。
「日野原先生!
大変です!
こちらは私がするので、あちらに!」
そう言って南先生は手術室へと行ってしまった。
私は、南先生が示した手術室へ入る。
そこにいたのは…。
「…………なんで……」
二度とここには来ないと思った、
槙原 拓海(マキハラ タクミ)が…小雪の父親が、横たえていた。