【短】リミットLove
「さ、遅刻するから、早く行きましょ。」
あたしの様子を伺いながらも、そう言って笑う龍平。
「…うん。」
…龍平。
あたしが今日泣いたのは、お父さんのことだけじゃないんだよ。
…どうしようもない、寂しさからなんだよ……。
「………小雪?」
それは一瞬の出来事だった。
でも、すごくゆったりと、スローモーションでそれは起こったように見えた。
今まで見えていた地面が、水面を見るようにゆらゆら揺れて…。
視界は真っ白になった。
体が動かなかった。
ドサッ……
「小雪!?
おい、小雪!
しっかりしろ!
小雪ーーーーーーーー!」
遠くのほうで、龍平の声と…
「…小雪。」
お父さんの声が聞こえた。