ファーストキスは蜜の味。

「お疲れ様でーす」

「お疲れー」


バイト先につくと、早番だった人たちが少し暇な時間をもてあましてた。

レジの下にはうずくまって、みえないように本を読んでる野久保さん。

あたしはみつけるなり、制服のままひょこっと顔をのぞかせた。



「あー、徳サンにいいつけますよ?」

「それはダメ。
サボってたってバレたら、オレ給料天引きだもん」

野久保さんは本から目を離すことなく、手をひらひらとふった。


これで自立してる、いわゆるフリーターってヤツなんだよね。

フリーターだけど、本人いわく将来ここに正社員で雇ってもらえるように努力中らしい。

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