ファーストキスは蜜の味。
「ご、ごごご……ごめんなさいっ!!!!」
バランスを失ったあたしを、羽深先生は大きな腕で助けてくれた。
そのときの衝撃でとんだ眼鏡は、机の下に隠れている。
急いでそれを拾おうと手を伸ばした。
――…ゴツンッ
「いたっ」
みごとに机に頭をぶつけたあたしは、ひりひりと痛みの残るオデコをなでた。
「…ぷっ」
えっ?
……なに?
羽深先生をみると、口に手をあてて笑いをこらえていた。
肩がふるふると震えていて、どんだけこらえてんのさ!!
といいたいくらい、震えてる。
……失礼じゃない!?