ファーストキスは蜜の味。
恭兄はにっと意地悪な笑みを向けた。
「続きして欲しかったら、中間テスト頑張ることだな」
「続きって……っ」
真っ赤なあたしに背を向けると、恭兄は窓に足をかけた。
ひょいっと軽々踏み込むと、恭兄は隣の窓へとうつった。
恭兄の部屋、向かい側だったんだ?
「おやすみ」
「――っ」
ふいにかけられた甘い声。
不意打ちだよ……
あたしはうるさい心臓の音で、息をするのも忘れるくらいボーッとした。