ファーストキスは蜜の味。

笑顔でごまかしてると、恭兄はあたしの腕をグイッとつかんだ。

あたしの体は、簡単に立ちあがらされた。

「勉強してんじゃないのか?」

「え、えへへ」

恭兄に笑顔は通じない。


あきらかにセンセイモードだ。

勉強してない様子に怒っているようで、サングラスの下は絶対あたしを睨んでる。



コワイ……



「悪いが、コイツは連れて帰る」

「え、あ、はいっ」

恭兄は机にお金を置くと、椅子にあった荷物を持ってあたしの肩を抱いた。


あっというまに連れ去られたあたしを、ユウちゃんたちはただ呆然とみつめていた。


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