ファーストキスは蜜の味。
――…ガラッ
「起立、礼、着席」
「おはようございます」
クラス担任様の羽深センセイがきましたよ。
あいかわらず髪ボサボサで、フチのある眼鏡。
へへへ、と笑う姿が、余計頼りなさそうに感じさせる。
計算なんだけどね。
「じつは今日、みんなにプレゼント持ってきたよ」
「えー、ナニナニ?」
テスト目前なのにプレゼントって、なに考えてんの?
クラス全員、プレゼントという言葉に食いついた。
恭兄は頼りない笑顔のまま、一枚の紙をとりだした。
「中間テスト対策用紙」
「げぇぇぇーーっっ、やっぱそういう系か!!」
クラスがこれ以上ないってくらい、ひとまとまりになったよ。