ファーストキスは蜜の味。

二人って、そういう仲だったんだ……

知らなかった。



あたしは大地に向きなおした。

大地はあたしに向いていた。


真剣なまなざし。

「大地、あたしたちもそろそろ……
――…っっ!?」



突然…
大地のあたたかさに包みこまれた。


身じろいでも動かない。

こういうトキ、男と女の差をみせつけられてる気がする。


掃除道具入れが細長い空間のせいで、動くこともできない。

音をたててしまって、いまの状況をみられることのほうが危ない。


「大地、ちょっと…?」

小さな声で反発しても、大地の体はまったく動かなかった。

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