ファーストキスは蜜の味。
家に帰って、あたしはすぐに制服を脱いだ。
だってこの時期は湿気があるから暑いんだもん。
あ、まずい。
今日食べすぎて、スカートのホックがキツイ……
ホックを外すと、お腹がほっとしたように解放的になった。
――…コンコンッ
「詠葉ぁー、入ってイイか?
…ってもう入ってんだけどさ」
「陽クン、どうしたの?」
陽クンとは昔から、裸とか気にしてなかった。
だって血をわけた兄妹だよ?
お互い着替え中でもおかまいなしに自分の用事を済ませる、それがウチのやりかた。
陽クンはハサミと洋服を片手に壁にもたれかかっていた。
……それだけみたら、結構な変質者だよ。