ファーストキスは蜜の味。
不安な夜
なんか息がしにくい。
とじてた目をゆっくりあけた。
あたし、お風呂入ってすぐ寝ちゃったんだ。
目をあけて、目のまえにあったのは黒い影。
くちゅっと音が鳴った。
「ん……っんンっ」
あたしの唇は、あたたかいモノで塞がれていた。
驚いて目をみひらくと、そこにいたのは見慣れた人物。
「んっ、はぁ…っき、恭兄!?」
離されてようやく名前を呼ぶと、恭兄は口の端をつりあげた。
久々にみる整った顔が月に照らされて、心がギュッとつかまれた。
「ぁっ…ン、きょ……にぃっ」
恭兄はやめることなく口を首筋に落とした。