ファーストキスは蜜の味。
まっすぐみる目が、あたしの心を見透かすかのように、じっとみつめた。
「昔からさ、忘れられない女の顔があるんだ」
「……顔?」
恭兄はゆっくりと向きあって、オデコに軽く唇をよせた。
優しいそのしぐさが……
――…正直、気色悪い。
寒気がするよ、恭兄!!!!
顔にでてたのか、恭兄の優しい顔がまた一変して、いつもの意地悪な顔に戻った。
「可愛い子でさ、イジメるとすぐ怒って、その顔がまた可愛いんだ」
「悪趣味じゃん」
聞きたくない話しなのに、恭兄らしいS的発言に、ちょっと笑いそうになった。
「俺、その子が可愛すぎて、構いすぎて、泣かせちまったんだ」
「……えっ」
あたしは恭兄をみた。
みなきゃよかった、って思うくらい、いつもどおりの意地悪な顔のままだったけど――…