ファーストキスは蜜の味。
――…ガラガラッ
「失礼しまぁーっす」
いきおいよく国語教師室の扉をひらいた。
そこには机に向かって教材を整理してる、羽深センセイ、の姿があった。
センセイモードの恭兄は、あたしをみてにこりと(不自然に)笑った。
「はやかったですね。
――…扉、閉めてもらえるかな?
プリントが飛んじゃうんでね」
「あ、はぁーい」
扉をゆっくりとしめると、あたしは軽い足どりで用意された椅子に座った。
机の上にはプリントが数枚置かれていた。