ファーストキスは蜜の味。
センセイは持っていた出席簿をひらき、さっそく声をあげて名前を呼び始めた。
「相田ぁー、遠藤ぉー、大橋ぃー、後藤ぉー。
おっ、このクラスはカ行が後藤だけなんだな」
いやいやいや…
どうでもいいから!!
すかさず頭の中でツッコミ炸裂っ。
名前は次々と呼ばれ、それに答えてクラスメイトが返事をする。
あぁ…
本当にイヤだ。
よりにもよって、なんでこんな男が?
あたしの名前が最後なので、それまでイヤだ、と呪いをかけるようにくり返した。
頭をかかえ、グルグルと悩む。