ファーストキスは蜜の味。
恭兄は自分の席に戻ると、タイミングよく扉がひらく。
――…ガラガラッ
「あーっ
ウタちゃん、もう来てる」
「おっす、詠葉ぁー。
赤点仲間のおでましだぜっ」
「キミたちもはやかったですね。
――…では始めましょうか」
空席がすべて埋まり、何事もなかったかのように国語教師室での補習が始まった。
あたしはドキドキする胸を押さえながら、窓から流れる風を頬にうけた。
季節はもうすぐ夏。
これからも恭兄にからかわれるのかな!?とか思いながらも、どこか嬉しさを隠しきれない単純なあたし。
ラブラブ生活よりも、まずは補習かな。
トホホ……
*完*