ファーストキスは蜜の味。

「なんでキスなんてするの?
昔からあたしをからかって…
――…そんなにたのしい?」

「あぁ、それはたのしい」

「ムカつく」

即答ですか!!

余裕そうな声がまたイラだたせた。

すっと顎に指がそえられ、自然と恭兄と向きあうカタチに……



あっ、ヤバイ…

ちょっと涙腺がゆるみそうになって、あたしはぐっと力を入れた。



「かまってやれなかったから、寂しかったかと思って」

「…はっ?」

きいてる人が誤解しそうないいかた。


…そんな甘いモノじゃないんだよ。

恭兄が優しいときは、なにかを企んでいるとき――…

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