ファーストキスは蜜の味。
恭兄はニッと笑った。
「ファーストキス奪ったときの詠葉の顔、めちゃくちゃ可愛かったなぁ」
「んなっ!?」
なにを思い出してんですか、恭一さん!!!!
あたしは言葉を失ったように、口だけパクパクと動かした。
「ビックリしてまばたき何度もして、息つぎするのも忘れて」
「わわわわわ!!
思い出さなくてイイから!!!!」
「詠葉、アレから誰かにしつけてもらった?」
しつけ?
っていうと……
接吻のことですかい?
――…してるわけナイしっ!!
そんなすぐにスキな人ができるわけでも、彼氏ができるわけでもないんですよ。
…常人はね。