オトコノコの気持ち!
「“どの口が”、…って、オレ“男”だし!カマでもナベでもないし!!」
「……よりによってアイツのニオイ振り撒いて、相当な物好きだ」
ふぅ、と諦めたような呆れたような
いかにも自分のがあたしより上だ的な態度をされて、カーンと頭の中でゴングが鳴った。
人の話は無視するもんじゃあないんですよ、ってね。
「突っ走って話進めてんじゃねーぞコラ、その無礼な誤解どうにかしろ」
「無礼なのはお互い様だと思うんだけど」
「……第一に、口説いけどオレは正真正銘の男だっての。加えて“那都のストーカー”?
ふ ざ け ん な!」
「随分な言い様じゃん。アイツ追いかけて男子校に忍び込んで髪のニオイまでオソロイにしてそうとうイレ込んでる割に……
今時ツンデレなんて面倒なだけだよ、素直になれば?」
「だから……!!」
「「違うっつってんだろ?」梓って単細胞だからすぐ次の台詞が予想できるね」
「…てめぇ喧嘩売ってんのかよ」
「ううん、仲良くしようって言ってる」
はぁ?と言うより早く続けられた言葉に、あたしは頭が痛くなった。
なんだか厄介事の臭いがプンプンしたから。
「俺ら、気が合うと思うよ」
「那都を好かない同士、」