オトコノコの気持ち!
こうなったら女に貢がせて貢がせて貢がせるくらいの、バリッバリな最低男になってやる!
「わーっはっはっは!」
一人部屋に虚しく響いた笑い声は、窓から入ってきた、まだ昼間にもなっていない朝の冷たい風に消された。
もう四月だというのに肌寒い。
校長からもらった10万(カツラ兼ウィッグ代)と担任からの5万を財布に入れて部屋を出ようとして止まる。
5万………?
5万で一年分の服?
(普通にたんねー………。)
軽く自嘲して、財布にあたしの手元にあるだけ全部のお金を入れた。
初めてこんな大金の入った財布を見た。……セレブ?
(卒業のためだ。仕方ない)
半ベソかきそうなわりにワクワクしてる。今までにないスリル感が、逸る心音が、妙に心地いい。
あたしも変態か。