オトコノコの気持ち!
長い直線上の道をまっすぐ進む。オレンジ色のレンガの道。
校舎は創立15周年とは思えないくらい新品の綺麗さで、植木や道に余計なものは一切なかった。
もちろん、雑草も 小石も ゴミも。
(きもいエリートばっかだったらどうしよう……)
ごくっと唾を飲み込んで、歩く足をおそめる。
でもいくらちんたら歩いてたって、だんだんと距離は縮まってくわけで。
校舎に近づくにつれて、ざわざわと騒がしくなってくる。
そういえば、時間的に今って、昼休みなの?
でも今のところ人は見当たらない。右側に遠めに見える校庭にも。
「なんだチビじゃん」
「でも髪型かっけくね?」
「あ、よくみたら可愛い系だ」
「まじかよ最悪」
(…………は)
馬鹿でかい声のする方を見上げると、校舎の教室と思われるほとんどの窓から、わらわらと野郎共がこっちを見ていた。
騒がしい正体はコレだった。
あたしが無視してまた歩きだすと、やっと教師達がそれぞれの教室の生徒達を叱りだした。