オトコノコの気持ち!
「あっれー?見て見て雲ちゃん、見ない顔!」
「まじだ、中学生?」
(………また中坊扱いかよ)
それから、とりあえず靴箱で靴を脱いだはいいものの、校長室がわかんなくて校内をウロウロしていたあたし。
そこに前方から、チャラそうなお兄さん方が二人やってきた。
一人は黒髪で、髪型も制服の着くずしも爽やか。前髪を赤のゴムでちょこんと結んでる。
……いかにも馬鹿っぽい。
『雲ちゃん』と呼ばれたもう片方は、染めたてのあたしに負けないくらい綺麗に染められたハニーブラウンの長髪を、これまた綺麗に流しててセットがばか上手い。
制服の胸元は大きく空いていてネクタイは無し、ズボンは腰パンと派手に着くずしてるわりに、それをお洒落に着こなしている。
「どしたー?迷子?」
小首を傾げて馬鹿っぽい方が率先してこっちにくる。
チビのあたしを馬鹿にしてか気づかってか、若干腰を縮めながら。口にチュッパチャップスを加えながら。