オトコノコの気持ち!
「んなわけねぇだろ」
漫才でも始まる勢いで、息のあったツッコミが入る。
あたしは相変わらず二人に見入ったままで、この事態を上手く対処できそうにない。
(第一印象が大切なのに!)
実を言うと……、
あたし、かなり人見知りするたちだったりする。
「……おーい?」
ひらひらと目の前で手を振られるけど、あたしの視線はその頭の、こいつが動くたびぴょんぴょん揺れる結んだ髪にあった。
口からほのかにコーラの香りがする。どうやらチュッパチャップスはコーラ味らしい。
「……そっかそっか」
さっきまで黙ってこっちを見てた方が、驚いた顔をして頷きながらゆっくりあたしに顔を近づけてきた。
その反動で頭がぴょんぴょんした奴はあたしの前からどく。
「なっ…」
(なっなっなんだよっ!!)
思わず顔が熱くなる。
こう見えてこういうのに慣れてないのは仕方ないんだっ!
だってあたし、意気がったってなんだって所詮は女子高育ちなんだもん!
「あれれ…照れ屋さんなの?
顔赤いっつか涙目に……」
ぴょんぴょんに言われて強く口を噛む。それでも余計紅潮する顔はどうにもなんない。
思わずぴょんぴょんを見上げて睨むと、『ははん』と薄く笑ってもう片方がやっとあたしから顔を離した。