オトコノコの気持ち!
「男の子って……雲ちゃん、そっちの趣味が………
お、俺はやめろよ!俺そっちの趣味ないから!まじで!」
本気で手を顔の前でぶんぶんふると、ぴょんぴょんは頭のゴムと口に加えてた飴のなくなったチュッパチャップスの棒を乱暴に床に叩きつけた。
残念だけど、いくら思いっきり叩きつけても、軽いそれらによって派手な音はしなかったからぶっちゃけかっこはつかなかったけど。
「あなた達、何してるの」
そこに、タイミングよく眼鏡の女教師がツカツカとやってきた。
シューズじゃなくヒールなその靴に、あたしは一人、広瀬を思い出して身震いする。
「授業中でしょう」
ぴょんぴょんが「はぁい」と返した。
多分これはこの人の素で、悪気はないんだとあたしは思う。
だけど、それが気に入らなかった女教師は、ヒステリックに声色を尖らせた。
「……いい加減にしなさいよ、あなた達今年受験生じゃないの。もっと自覚をもちなさい!」
(二人、受験生なんだ……
え
てことは三年生?υ)
ぴょんぴょんとか勝手にあだ名つけたり馬鹿っぽいとか勘違い男とか言ったりしてたことが、急に恐ろしくなってきた。
上下関係って大事だからだ。