オトコノコの気持ち!
それから、なんだか高校生にしてはやけに女の扱いが上手い
『雲ちゃん』の方が、宮本って名前らしい女教師を上手く包めて、
『俺ら保健室行ってきます』と言って、赤いゴムだった方を連れて去って行った。
残されたあたしと宮本。
「それであなたは何してるの」
さっきより落ち着いた声色に、心の中で色男にお礼を言うと、あたしは宮本に
『父親の仕事の都合で県外から編入してきた』
という頭に叩き込んだ設定に基づいて用件を伝えた。
「なんで、どこ行けばいいのかわかんなくて迷ってたんですけど……」
「保護者の方は?」
「仕事が忙しくて」
「そうなの…」
我ながら迫真の演技に宮本は急に汐らしくなると、そういうときは事務室に寄ればいいのよ、と事務室に案内してくれた。
「それからね、さっきの二人」
「え?」
「三年の三雲と佐々木。
あの子達とはあんまり付き合わない方がいいわよ」
あたしはこういうことを言う教師が好きじゃない。
だから無意識の内に刺々しくなった声で
「付き合う人間くらい自分で決めれます」
と言ったんだけど、そのせいで空気が若干険悪になって
それから、そのままなんとか校内を案内してもらって、最後にあたしは校長室に通された。