オトコノコの気持ち!


それに追い撃ちをかけるように三雲先輩が怒鳴る。


ザワつきに打ち勝つ声量で。
お腹から響かせたような声。




「おめーの頭地毛だもんな!
それで餓鬼ん頃色々苦労したんだよなー!」




シン……


またも静まり返る。


ザワついたりしらけたり、忙しい食堂。

みっちゃんは異変に思ってでてきたりしないんだろうか。




「………ごめん、東堂、
俺、何も知らずに髪のこと」


「いや、」




本気で謝る倉本に何だか悪い気がして、あたしは誤解を解こうとしたんだけど……


みんなにはそれが、あたしの許しの言葉に聞こえたらしく。




「なんだあいついい奴?」

「お前、あいつが可愛いからってヒガんでんじゃねーよ」

「……お前人のこと言えんの」


ザワつきを取り戻したけど、もう前みたいに、嫌な単語は聞こえてこない。


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