オトコノコの気持ち!
「政宗くん」
千都瀬が感激したようにシッポをふって先輩を見つめた。
先輩はそんな千都瀬の頭を
よしよしと撫でると、あたしの方を向いた。
「感謝しろ、東堂」
「へ、」
急に肩を掴まれて眉を寄せると、三雲先輩は冗談を言うのと同じような明るさで
「俺に逆らえる奴はいない」
と言って楽しそうに笑った。
なんだかちょっとかっこいい三雲先輩は続けた。
「つまり、俺の舎弟のお前にも誰も逆らえない」
またニヤっと妖美に笑った三雲先輩の前に、いや、あたし達の前に、人影が被さった。
「三雲先輩…」
「なんだよ」
緊張した面持ちでそこにいたのは、5人の男子達で。
その声には聞き覚えがあった。
間違いなくあたしをでかい声で罵った奴らの声なのに、三雲先輩は普通に話すのと同じ声色で『なんだよ』と返した。