【続】王子様とお姫様
★愛しい
「愛武くんってもうレポート書いた?」
「うん、書いて出した
小林さんはまだなの?」
「そう、まだ書いてないのー!」
「うわぁ〜頑張って」
大学の廊下を小林さんと並んで何気ない話をして歩いていると
「愛武ぅー!!!!!」
前から花柄のワンピースを靡かせながら
両手を広げて満面の笑みで走ってくる千嘉の姿が見えた
「うっ!」
俺の腹に抱き着いて
「久しぶりぃ!
会いたかったー♪」
“エヘヘ”って笑いながら嬉しそうに俺を見上げてくるけど
「今朝、会ったばっかりじゃん」
今日も昨日も…ていうか毎日一緒に大学に来てる
「千嘉はいつでも愛武の側にいたいの!」
「はいはい」
頭を撫でてあげると
首を傾げてふんわりと笑う
俺はこの笑顔が好き
「あぁ!
抱き着いてる場合じゃなかった!
千嘉、時間ヤバいんだった!
じゃあまたね♪
千穂もバイバイ!」