お菓子の犬小屋
バタバタバタバタ
ガララララ バン!
「ぅわ!Σ」
「うるせぇなあ、お前の足音100メートル向こうから聞こえたわ」
バコッ
「いって「どうした」
打たれて頭を抱えるレンくんを素通りして、アキちゃんはイスからゆっくり腰を浮かした。
「リ、リエは……」
「リエ? セリナ迎えに保健室行ったんじゃ……」
息を切らすあたしの背中を、子供を落ち着かせるみたいにアキちゃんがさすってくれる。
あたしはゆっくり教室に入った。
「入れ違ったんだね」
ハルちゃんがあたしにポッキーを4本くらい握らせて、意味無く一点を見つめるあたしの肩を軽く叩いた。
そしてそのあたしの手から1本ポッキーを抜いてくわえるレンくん。
なんだかみんな、あたしがマラソンランナーにでもなったみたいな扱いをしてる。
「そっか……」
「どして?なんかあったの?」
「うん…」
あたしの前のリエのイスにアキちゃんが座って、ハルちゃんは床にぺたりと腰をついた。