青い空、誓った想い
「なぁ、井上」


恥ずかしさを隠すように俯いていた私は顔を上げた。


「何ですか?」


先生を見ると、窓の外を寂しそうな目で見つめていた。


「井上さ、前に恋愛には興味ないって言ってたけど、あれってなんで?」




そういえば、そんなこともあったかもしれない。


かっこいい先生に対して、他の女子生徒と違って普通に接する理由として、恋愛に興味がないと言った。


あの時は実際、ヴァイオリン一筋だった。

恋愛はしないと決めていたし、男性に興味はなかった。



本当のところは、先生のことが気になっていたけれど、あの時はまだそれが恋だとは気付いていなかった。
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