青い空、誓った想い
先生はそれから口数が減り、ただ補習が進められた。


そして先生が今日の最後と言って指定した問題を解き終えた時、先生はぼんやりと窓の外を眺めていた。



その瞳があまりにも悲しげで、切なくて、声をかけられなかった。


しばらくして、私は遠慮がちに

「先生?」

と呼んだ。


はっとしたような先生は私に悲しい微笑みを見せる。


「できたか?」


その問いかけには答えなかった。


「先生、今日なんかいつもと違う。元気ないですよ?」


「え…?」


「生徒のくせに生意気なこと言ってすみません。でも、先生の寂しそうな顔を見ると私も悲しい気持ちになります」


「井上…」


私はもう止められなかった。


「初めて先生を見た時、入学式で壇上で話す先生を見た時から気になっていました」
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