青い空、誓った想い
「そんなことはない」

と微笑む先生。


「俺な、前の学校で問題を起こしたんだ」


そう言って、先生は前の学校での出来事を話しだした。


「ある女子生徒がな、俺に告白してきたんだ。まあ想像つくと思うが、教師を初めてから生徒に告白されることはたまにあった」


私は黙って頷いた。


「自分で言うのもなんだけど、前の学校では今とは違って優しい先生だったんだ」


優しい先生は何となく想像できた。


時々見せる笑顔は、いつものクールな先生とは違う。


「俺はもちろん、その生徒の告白もいつものように柔らかく断った」


先生は当時のことを思い出しながら語る。


「そしてその生徒はな、涙を目に溜めて

『先生、ありがとう。さようなら』

と言って去っていった。俺はその言葉に何の意味も感じず、どんなに悩んでいたか、気付けなかった。」



先生は一呼吸置いて辛そうな顔をし、重い口を開いた。







「その日、彼女は自殺したんだ」
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