青い空、誓った想い
「幸いなことに、未遂で終わってくれたんだけどな」



私は何も声が出なかった。



「遺書があってな、俺への気持ちが綴られていたそうだ。当然、俺はその学校にいられなくなって、この学校に来たってわけ」


そう言うと先生は無理やり笑った。


「あの時から俺は生徒と接する時、できるだけ壁を作るようにしたんだ」



「先生…ごめんなさい。私、軽々しく聞いたりして」



「そんなことない。俺の方こそ、こんな話聞きたくなかったよな。ごめん」



「いえ…でも先生、自分を責めないで下さい。先生のせいじゃないから」



先生は一瞬、驚いたような顔をしてから

「井上は優しいな。ありがとう。こんな話をしたのは井上だけだよ」

と先生は切ない表情をして言った。
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