青い空、誓った想い
私が頭の中で会話をしていると、先生が口を開いた。




「でも、好きな人は…いるけどな」

今度は真剣な顔で、私を見つめる。






先生の好きな人、きっと素敵な女性なんだろう。



どっちにしたって、私には先生の心の隙に入れない。




心と頭がつながってきて、涙腺が緩む。



夏休みに入ってから、心の奥に閉じ込めていたはずの想いが溢れ出しそうだった。










「俺さ、い…――――――」





先生が呟いた声は小さすぎて、花火の音にかき消された。




「先生、今なんて言ったんですか?」


「いや、何でもないんだ」


「そう…なんですか?」






その後、私と先生は静かに花火を見ていた。
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