青い空、誓った想い
「…井上?」




そんな声がして、視線を上げる。




「あ…」


工藤先生に会えた…。





「お前、泣いているのか?」


先生は驚いた顔をしている。



泣いてる?

誰が?



そんなことを考えていると、先生の手が私の頬に伸びてきた。



「どうした?」

私の頬に触れる先生。



あぁ、私が泣いてるんだ。






「辛いんです」


思わず出た一言だった。



「ヴァイオリン?」

私が持っているヴァイオリンを見る先生。



私は首を振った。






「じゃあ何があったんだ?」



「先生には言えないです。困らせるから」
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