青い空、誓った想い
「実は体育祭の練習が…」


「もしかして、井上って騎馬戦か?」


「え?なんで…」

先生が種目を言い当てるから、やっぱり何もかも見透かされているような気がした。


「騎馬戦は3組と合同練習が週3日あるって聞いたから。俺、4組の担任だから一応、練習を監督しなきゃいけないんだ」



「え……」


確かにうちのクラスは4組ほど練習熱心ではないから、練習が大変なのは合同練習することになった騎馬戦だけだ。




しかしそんなことより、4組の担任が工藤先生だということ、練習に工藤先生がいることで頭がいっぱいだ。



明日の合同練習がますます憂うつになった。



「井上が騎馬戦って意外だよな」


「くじ引きで当たったんです」


「あーなら納得。まあ、器用そうだから大丈夫だと思うけど、ケガしないようにな」


「気を付けます。ヴァイオリンの練習ができなくなると困るんで」


「そうだよな。あー聴いてみたいな、お前のヴァイオリン」

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