青い空、誓った想い
「それなら、好きな曲を教えて下さい。せっかくだから何かリクエストして下さい」



私だって、適当な気持ちでヴァイオリンをやっているわけではない。


まだ未熟な演奏とは言え、一応プライドを持ってヴァイオリンと接している。


練習なんて聴かせるものじゃない。

例え、聴衆が1人だとしても、誰かに聴いてもらえるのなら、その時の最高の演奏を目指す。


それが、ヴァイオリンを弾く私のプライド。



「リクエストねぇ。さっきは聴かせないって言ってたのに」


「嫌がっても無駄みたいなので。1人でも聴いてくれる人がいるならちゃんと演奏したい。だから、先生の好きな曲を用意しておきますよ」





しばらく考え込んだ先生が口を開いた。
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