青い空、誓った想い
ヴァイオリンを持って学校へ行くことは初めてで、なんだか不思議な気持ちだった。


音楽室に入り、ケースからヴァイオリンを出して楽器の準備をする。

朝は動きが鈍っているため、軽く弾いて身体や指を馴らす。


楽器を机に置き、音楽室の窓を開ける。

空は青いが、5月の朝はまだ冷たい空気が入り込む。



青い空に向かって呟く。


「上手くいきますように」



私が本番前に必ずすること。


空に向かって成功を祈る。




音楽室の扉が開く音がした。


「おはよう」
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