青い空、誓った想い
振り返ると、工藤先生が音楽室の中へ入ってきた。



「おはようございます、先生」

私はお客様に微笑んだ。



「それが井上のヴァイオリンか。どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみだな」

机の上のヴァイオリンを見ながらそう言う先生。


「わざとプレッシャーかけてますか?」


「いや?緊張してるのか?」


「まあ、それなりに。ある程度の緊張は音楽には必要ですし」


と強がっているように言ったが、これは事実だった。



「そうか。まあ井上の心の準備が出来たらいつでもどうぞ」

と言って最前列に座る先生。



平静を装いながらも結構緊張していた。


たった1人のお客様、それなのにいつもより緊張するのはなんでだろう?


相手が先生だから?
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