青い空、誓った想い
「私、自分で持てますよ。申し訳ないです」


そう言って先生が持っている私のバッグに手を伸ばした。



「きゃっ」

先生に手をつかまれた。


「俺に持たせて」

と言って私の手を離した。



ドキドキしてしまい、何も言い返せず、そのまま音楽室を出た。




無言のまま、廊下を歩いた。


音楽室の近くは他の教室から離れていて人がいなかったが、だんだんとすれ違う人が多くなってきた。


先生に挨拶をする生徒、挨拶を返す先生。

先生はやっぱり先生なんだと痛感した。


予鈴のチャイムが廊下に響く。


「井上、俺は職員室へ寄るから」

そう言ってバッグを私に渡してくれた。



「先生、すみませんでした。ありがとうございます。」


「どういたしまして。じゃあ、また授業でな」



先生が職員室の方へ歩くのを見届けて、私も教室へ向かった。
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