青い空、誓った想い
放課後、重い足取りで数学研究室へと向かう。


体育祭の一件からたった数日しか経っていない。

あれ以来、先生とちゃんと話すのは今日が初めて。



少し気まずいような、でも嬉しいような、そんな複雑な想いで数学研究室の扉をノックした。



「どうぞ」

と言ういつもより低めの工藤先生の声が聞こえた。



その低い声は、怒っているようにも聞こえて不安になった。



「失礼します」

恐る恐る扉を開けると、コーヒーの香りがした。



「とりあえず座って」

と先生がソファの前のテーブルにマグカップを置く。


言われた通り、ソファに座り通学かばんを床に置いた。



「体育祭にヴァイオリン、頑張りすぎちゃったか?」


「え…?」
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