俺だけのベイビー☆★

椿家の双子。

綾音ver.


「いってらっしゃいませ!!若!!お嬢っ!!!」

数十人のイカツイ男たちの声が朝のやたらとでかい和風の家の前で響く。
私、椿 綾音(つばきあやね)。みんなからは普通に綾音とか、さっきの男たちからはお嬢とかって呼ばれてて、たまに「あーたん」なんてばかげたあだ名で呼ぶ奴もいたりする。

「がっこーとかまじだりぃーーー。今日サボろっかな。」

なんて言ってるこの隣のオトコは双子の兄の椿 健太郎。あたしは一応兄なので健兄ぃって呼んでる。ってか呼ばされてる・・・!?
まぁ、あたしらは一卵性の双子ってことで顔も声もクセも好きな食べ物も栗色のクセっ毛もどこかしら似ている。


一卵性っていっても性格はド反対。
健兄ぃはいつもふわふわしてるんだけど本気で怒るとスッゴク怖くて寝るのがだーいスキで穏やかで優しいときもあるけどたまにいたずら大スキでドSになる。
簡単にいうと不思議系って感じ。なぜかみんなからみると気ぃつよそーに見えるらしい。


さっき分かったようにあたしたちン家はヤクザの家。
親父は4代椿組組長である。


「ねぇ、綾音」
「なに?」
「さっきからさぁ、だれに家族紹介してんの?」
「え!?いや別に・・・。」
「もしかして一人言とか??変な趣味してんな」
「違うっ!!」
「なにが違うの・」
「えっ!!いや、私は、その、ただ・・・。」
「ただ???」
「もういいよ!一人言で!!」
「何怒ってんの?」
「怒ってなんかないし。」
「怒ってるじゃん」
「怒ってない!!!」
「だからそれが怒ってるんだろ!」
「怒ってないってば」
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・

「朝から何さわいでんねん」
「ホンマやわぁ」

「またお前らか・・・。」

「{また}ってなんやねん!!{また}って!!!」

今日もまたさわがしい一日が始まった。
今日という日が私の人生を大きく変えるなんてまだ誰も知らなかったんだ。



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