ジャージ戦隊かぶるんじゃー
朝7時。
見事に晴れていた。

小学生の弟の光輝(コウキ)は
まだ寝ている。
光輝を起こさないように家を出る私。

「いってきまーす」

「どうしたの、星音」

「えっ、あぁ、部活」


嘘を吐いた。

ジャージ着て覆面被って
ヒーローショーするなんて
口が裂けても言えるもんか。

「ふーん、行ってらっしゃい」

「行ってきます」

自転車を飛ばしてまずは基地に向かう。
“部活”って言ってあるから制服だ。
私文化部だし。


「おはようございます!」

「おはよう、星音ちゃん。
 2番だよ、やる気あるねぇ」



―この時私は
後でまさかの事態が起こるなんて
知る由もなかった。
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