ジャージ戦隊かぶるんじゃー
「おはようございます、
お待ちしてましたよかぶるんじゃーさん」

昨日のおじさんたち。

「今日はよろしくお願いします」

「じゃぁかぶるんじゃーさん、
 これがプログラムなんですけど
 劇は最初にやっていただきます」


最初?
1番ってこと!?
冗談キツいっすよ…


「じゃぁ、開会式から劇にかけて
 早速ですが通しますね。
 敵役の方ももう来ていらっしゃるんで」

黒の全身タイツに
覆面を被った5人組が現れた。
ジャージと覆面の私が言うのも
どうかと思うけど、怪しい。

私たちもこんな目で見られてるんだな…
少し悲しくなった。



司会のおじさんが開会式の進行を始めた。
開会式は20分に設定されているらしい。

長いだろ。

そのうちの15分は町内会長の話だった。


「なんと、今日は町のヒーローが
 お客さんとして来ていますよ」

司会のおじさんの言葉が入る。


「で、ここでかぶるんじゃーが登場して
 ポーズを決めたら敵役が入ってきます」

説明のあと練習をはじめる。

それにしても敵は怪しい。
泣く子が出そうなぐらい。
…かぶるんじゃーも一緒か。



「では、本番よろしくお願いします」


そろそろ開場の時間だ。
< 13 / 21 >

この作品をシェア

pagetop