ジャージ戦隊かぶるんじゃー
次々と公園に集まってくる
小学生や地域の人たち。


あっという間に時間は過ぎて
開会式が始まった。

私たちはずっと隠れていたので
よく分からないが
かなりたくさんの人が来ているらしい。

町内会長の長い話が終わった後
私たちは登場することになっていた。

「なんと、今日は町のヒーローが
 お客さんとして来ていますよ」


「みんな、しっかりやってね」
「ラジャー」



「「ジャージ戦隊かぶるんじゃー!」」


順調なスタート。


「炎の戦士、かぶるんレッド!」
「水の戦士、かぶるんブルー!」
「光の戦士、かぶるんイエロー!」

―事件は起こった。
私の目に間違いがなければ
人生最大の大事件。

「草の戦士、かぶるんグリーン!」

あれは…あれは…

「花の戦士、かぶるんピンク!」


私 の 母 親 だ 。


「この町のために、戦うぞ!」

気づかない振りをして
みんなと一緒にポーズを決めた。
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