ジャージ戦隊かぶるんじゃー
敵が現れた。

「この町をめちゃくちゃにしてやる!」

どうしようどうしよう。
声でバレるかも知れない。

「そんなことはさせないわ!」

「なんだと?俺達の邪魔をするのか?」

弟もいた。
母親が1人で来るわけないか。

「お前達こそ、みんなの生活の
 邪魔をしてるじゃないか!」


次は私の台詞だ。
ここで声を出したらバレるかもしれない。
最終手段だ。

「そうよ、さっさと立ち去りなさい!」

口から出てきた言葉は台詞どおりで
台詞を言う声は
いわゆるアニメ声だった。


かぶるんじゃーの時間が止まった。


「俺達の邪魔をする奴は
 攻撃してやる!」

敵の攻撃が始まった。
その時は私の台詞はない。
ついでに気張りすぎて私の記憶もない。

何分かたった後だと思う。

「三宮、どうしたんだ」
どさくさにまぎれて葉平が聞いてきた。
「家族が来てる」
小声で答えた。

「そんなことはさせないわ!」

リーダーはいつもの数倍カッコ良かった。
でも私の母親はリーダーのこと知ってる。

「必殺技!」

海斗くん頑張ってる。
でも私の弟は海斗君のことなぜか知ってる。


「やられたああああ」

敵役は退場。

「困った事があったら
 いつでも私たちを呼んでね!」
アニメ声で台詞を言う。


「「ジャージ戦隊かぶるんじゃー!」」
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