ジャージ戦隊かぶるんじゃー
かぶるんじゃーを最初に
やろうって言い出したのは
もちろんリーダーだった。

2ヶ月ぐらい前、
夏休みのこと。

元々同じ中学で仲の良かった
リーダーから電話があった。

「ねぇねぇ星音ちゃん?
 ボランティアとかって興味ない?」

確かこんな感じ。

ボランティアなんて中学の時の
地域清掃ぐらいしかやった事はなかった。

「…あんまりやった事ないです」

「じゃぁさじゃぁさ、
 戦隊ヒーローとかって興味ない?」

次の振りがこれ。
正直かなりビックリした。
何言い出すんですか一戸先輩大丈夫ですか
って本気で言いたかった。
あっ、秘密だけど。


「じゃぁ、単刀直入に聞くわ。
 私と一緒にさ
 “地域を守る戦隊ヒーロー”
 にならない?」


本気でどうしようかと思った。
地域を守る?
戦隊ヒーロー?
先輩もう高3でしょ?
大学受験でしょ?

「お願いっ。
 メンバーが全然集まらないの!」

先輩は熱意に溢れていた。
すでに私の負けは決定だった。

「……やります」



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