ジャージ戦隊かぶるんじゃー
公園に到着したのは4時半。
それから7時過ぎまで準備は続いた。

「ありがとうございます」

「こちらこそ、依頼を頂いて」

「では、明日もよろしくお願いします」

「明日私たちは何をすれば…」

「子供達の面倒と、
 あとヒーローショーとか
 やってくれませんかねぇ」

ヒーローショー?
ジャージと覆面の怪しい高校生に
ヒーローショー!?

「台本と敵役は
 こっちで準備しますんで
 お願いできませんかねぇ」

「ヒーローショーですか」

困るリーダー。
私だったら断る。
明日だし。


「いいですよ、やりましょう」

―リーダー、本気?

「ありがとうございます!」

台本を受け取り
本部(基地)に戻った。

「ヒーローショーって…
 私も出るんですか?」

「もちろんよ実花ちゃん」

「えっ…でも私
 学芸会はいつも木や石の役で」

そんな役があったんだ。

「って事は俺もだよな、一戸」

「海斗は当たり前でしょぉー
 『ジャージ戦隊かぶるんじゃー!』
 ってキメるのよ」


明らかに嫌そうな海斗くんと
泣きそうな顔の実花ちゃん。

その2人を見て喜ぶリーダー。
一番この人が絶対楽しんでる。

「ねー星音ちゃん、
 楽しそうだよねやりたいよね!」
いいえとは言えない。

絶対この人が一番嬉しそうだ。
特にヒーローショーをやらせるのが。
Sだからね、リーダー。


「…やったぜ」
あっ、さっきのは嘘。
一番嬉しそうなのは
ガッツポーズで無駄に張り切る葉平だった。
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